テーラーメイド ステルス HD アイアン 評価　「異形」だけど本格派アイアン！

テーラーメイド ステルス HD アイアン

2023年テーラーメイドの新作アイアンとして、2月から発売が開始されたのがステルス HD アイアン！

外観上はかなり「ボテッ」とした形状で、敬遠していたところもあります (汗)。試打した結論は・・「大ぶりなアイアンらしからぬ“本格感”があって、決して侮れない！」

外観

バックフェースからも確認できるくらいの、「シャロ―ヘッド」でした！

ソールは、かなり広い！というか、でかい！前方に、貫通型スピードポケットが搭載されているのが確認できます。

フェースの底が丸くなっているのが、特徴的でした。

ボディはかなりファット！

ネックの外観。

トップブレードは厚め！ フェース長も大きく、安心感は高い！ ですが、鈍重さは隠せないかな・・と思いました。

アドレスしてみると、しっかりとしたグースがまず目に飛び込んできました。フェースの向きはターゲット方向に対してスクエア。ヘッドの座りは良好でした。

アイアンと言うよりは、ユーティリティ感覚であることは否めず。それでも、不思議なくらいスッと自然に構えることができました。

振り抜き感、打感・打音

シャフトは純正カーボンのTENSEI RED TM60 (’22)、フレックスはSでした。

全体的な重量感は、適正～やや軽め。

ワッグルしてみると、シャフトのしなりはほとんどなし。素振りでは「暴れる」という程ではないものの、ヘッドの強い存在感が感じられました。

打感は、テーラーメイドのハイテクアイアンらしいすっきりとした弾き感！ボールの芯を打ち抜くような感触も十分に感じられ、複合素材アイアンとしては打感のレベルが高いと思いました。

打音は「ブシュ」というつぶれ感をイメージする音。こちらもとても気持ちよく、素晴らしいチューニングになっていました。

弾道、寛容性、飛距離性能

試打クラブは、#7でロフト角30°。近年のアベレージ向け飛び系アイアンとしては、“寝ている”ロフト角となります。

弾道はとても高い！「飛び系」というよりは、クラシカルアイアンに近いな！という高さでした。

オートマチック感が強調されていて、操作性はほとんどありませんでした。ヘッド自体が決まったスイング軌道をトレースしていくような振り心地。ほぼ同じような真っすぐの弾道を、再現性高く連発できていました。

ミスヒットには、かなり強い！少々のオフセンターであれば、ミスしたのが分からないくらいの高い寛容性でした。

飛距離性能は、そこそこかな・・という印象。キャリーで150ヤード前後、トータル160ヤード弱でした。

単純な飛距離性能だけであれば、物足りないかもしれません。それでも好印象だったのが、縦距離のばらつき感の少なさ！「これだけ安定していれば、飛距離性能はこんなもので十分！」と思わせてくれるほどでした。再現性も高く、実戦でしっかりと結果をしっかりと残してくれるアイアンだと思いました。

総評

見た目の「異形」さからは想像もつかない本格感に、とにかくびっくりでした！

まず、外観については「違和感」たっぷりです (笑)。伝統的なアイアンとはかなり異なっていて、この外観だけで敬遠する人も多そう。ところが実際に打ってみると、とにかく弾道が高い！ グリーンキャッチも不安のない高さが、しっかりと出ていました。

直進性も高く、とにかくやさしい。また、弾道の安定感が秀逸！ 飛び過ぎを警戒しなくてもいいので、本当に実戦的だなと思いました。

対象はシンプルに狙った方向にまっすぐ打ちたい、アベレージゴルファー！ クラシックなアイアン形状が好みの方には、ちょっと厳しそうではあります。

個人的には、やはり形状が気になるので購入対象にはなりません。それでも「異形」を補って余りあるほどの“結果”が得られるアイアンです！

ゴルフをシンプルに楽しみたい、やさしさが欲しいというゴルファーには特にお勧め！