こんな方におすすめ!
- あと一段階の弾道の強さと飛距離性能を、従来のドライバーショットに加えたい!
総合評価 8.3点/10点満点
- 飛距離性能 8.5点
- 弾道の強さ 8点
- 弾道の安定感 8.5点
- 寛容性 8点
- 構えやすさ 8.5点
- 打感、打音 8.5点
テーラーメイド Qi10 ドライバーを試打した感想は・・
- ドライバーに求められる要素が、高次元でバランスよく実現できている秀作モデル!
- 扱いやすさが感じられるヘッド形状で、ヘッドの挙動をコントロールしやすい!
テーラーメイド Qi10 ドライバー
テーラーメイドの2024年新作となるのが、Qi10 シリーズ! 今回試打したQi10 ドライバーはシリーズの真ん中、いわゆる「標準」となります。
ドライバーに求められる様々な性能をバランスよく要求されるモデルとなりますが、果たしてどのようになっているのか? 興味深く試打してみました!
外観
ソールの外観。シルバーと黒を基調とした直線主体のデザインで、かっこいい!
前作となるステルス2 ドライバー同様、ネックに近い部分にウェイトが配置されています。
フェースは青色になりました!クールでかっこいい色合い!
横方向からの外観。塊感がありつつ、後方にもストレッチしている、絶妙な横顔!
メーカーの意図する「バランスの良さ」が的確に表現されているな・・という印象でした。
後方からの眺め。
ネックには、±2°のロフト調整が可能な「ロフトスリーブ」が搭載されています。
クラウンは黒一色の鏡面仕上げ!前作までのカーボン調でツートンのデザインではなくなり、精悍な顔つきになりました。
投影面積は大きすぎず小さすぎずで、絶妙な大きさ!
アドレスしてみると、フェースの向きはターゲットに対して右を向く「逃げ顔」。とはいえ、つかまりすぎを抑える意図を感じる、ほんのりとした逃げ顔でした。
フェース上部に施されたアライメントラインは、うっすらと見える程度。ちょっとわかりづらいですが、視覚的に邪魔にならない節度あるラインでした。
投影面積がちょうどいい大きさで、逃げ顔ながらヘッドが“返って”ボールをとらえてくれそうなイメージ!緊張感と安心感を両方感じる、絶妙な顔だと思いました。
振り抜き感、打感・打音
試打クラブのシャフトは純正のDiamana BLUE TM50、フレックスはRでした。
全体的な重量感は適正~やや軽め。総重量は301グラムで、前作となるステルス2 ドライバーより3グラム重量アップとなります。
ワッグルしてみると、シャフトのしなりをはっきりと感じました。ちょっと頼りないかな・・と思いながら素振りをしてみると、意外にも切り返し~ダウンスイングでの不安定な印象はなし。インパクトの手前でしっかりと走ってくれ、軽快に振り抜くことができました。
打感は弾き感が強めながら、フェースのたわみ感も感じられるもの。弾き感が7割、たわみ感が3割といった雰囲気でした。前作よりも軽快な感触が増して「飛びの匂い」が感じられる打感になり、個人的には好印象!
打音は「ビシッ」と言う引き締まった音。こちらも耳に心地いい、良音でした。
弾道、寛容性、飛距離性能
試打クラブはロフト角10.5°のモデルでした。5球を打っての弾道測定器スイングキャディ SC4のデータは、以下のとおりです。
弾道の高さは、中~やや高め。ロフト角よりやや高い角度で打ち出し、棒玉上にまっすぐ上昇して、力強く飛んでいく軌道になっていました。
最高到達点は20.8m。スピン量は3032rpm。スピン量を抑えつつ、そこそこ高く上がってキャリーで稼いでいくという球筋がデータでも確認できました。
つかまりは、控えめ。とはいえ、「全くつかまらない」という雰囲気はなかったです。気持ちストロンググリップにすると、ターゲット方向に対してまっすぐに打ち出すことができました。
直進性は、高いです。多少芯を外しても、カーボンフェースががっちりとボールをとらえて、左右によれることなくまっすぐ突き進んでいきます!安定感については、抜群に高いと思いました。
操作性は、少なめ。基本的にはオートマチックにまっすぐ飛ばすというコンセプトになっていました。積極的にボールを操っていきたい方は、LSを選択すべき!
寛容性は、高いです。前作 (ステルス2ドライバー)よりは、ミスヒットに対する補正力が確実に上がっていました。
飛距離性能は、高い!キャリー184.5ヤード、トータル206.4ヤードという結果でした。ヘッドスピード36.7m/sという数字は個人的には不満が残りますが、このヘッドスピードでこの飛距離結果であれば、むしろそれほど悪くないなという印象。
総評
今回、Qi10 シリーズを3モデル同時に試打しましたが、最もバランスがよかったのがこのQi10 ドライバーでした。
バランスが良いと言うと「突出した個性がない」と誤解されそうですが、そのような雰囲気は全くなし。むしろ、ドライバーに求められる様々な性能が高次元で実現できていて、個人的には選ぶとすればこのノーマルモデルになりそうだなと強く思いました。
まず、取り回しが良くて、扱いやすい!ヘッドのターンが絶妙で、ピーキー過ぎず、鈍にならずという挙動。自分がイメージするヘッドの動きを容易に実現することができました。
さらに、振り抜き感も絶妙!しっかりと体幹にまとわりついてくれる振り心地で、素振りの段階でグッドショットがイメージできました。実際に打ってみても、弾道の安定感や強さは、申し分なし!弾道の高さもイメージどおりで、飛距離性能も高かったという素晴らしい結果でした。
さらに、打感もブラッシュアップされていて、本当に多くの点で高いレベルでバランスよくまとまった出来になっているな・・と思いました。
対象となるのは、アベレージから中級者まで幅広いと思います。シャフト選択を間違えなければ、100前後のゴルファーから80台前半のゴルファーまで、十分にカバーできるポテンシャルがありそう。オートマチック感を強く求める方には、ちょっと扱いづらさもあるかもしれません。近年の大型ヘッドがやや扱いづらいんだよな・・と感じる方に、意外とはまりそうな印象でした。
Qi10 シリーズでは、ともすれば埋もれてしまいそうな予感もするこの「ノーマル」ですが、はっきりと良作!と言っていいです。多くの方に、是非試してほしい!